茜空

「あんた。

「あんた。

ある程度、頭が回るようだね。」

「いや。

情に振り回される、愚かな馬鹿だ。」

「それをわかっているだけ。

まあまあ。見込みがある。」

「待つ人もない。

なにも望まれもしない。

ただ。費やされるだけの。

なんの意味も無い生命だ。」

そこで。

そいつはほくそ笑んだ。




-茜空